外国人投資家に騙されるデンマーク人たち
2019年10月、デンマークの公共放送DRTVで【De Riges By (お金持ちの街)】というドキュメンタリー番組が放送されました。
今日はその番組で放送されていた内容をお届けしたいと思います。
デンマークに限らずヨーロッパでは大都市の人口が増加しています。
大都市住宅の需要が増えている中、供給が間に合っていないため首都コペンハーゲンで住宅を探すのが難しくなっています。
日本でも東京の人口は増えいてるように、どこの国でも大都市の人口は増えているんですね・・😕
また、今から6年前の2014年には2部屋のアパートの家賃は平均13万円でしたが、現在は平均18万円と5万円程値上がりしています。もちろんお手頃価格の物件もありますが、そういった物件はかなり速いペースでテナントが見つかってしまう。
特にデンマークの首都コペンハーゲンの家賃は高く、中間所得層がコペンハーゲンで住宅を見つけるのは不可能になってきています。
そんな中、デンマークの賃貸物件の高騰に目をつけたのが外国人の投資家たち。
彼らは賃貸物件を買取し高額な家賃を設定しぼろ儲けしている💸・・という衝撃の事実が番組の中で伝えられました👀⚡️
下の写真は、2012年から2019年の7年の間で海外投資家によって買収された賃貸物件の数を表しています。
この写真を見ると7年でかな〜りたくさんの物件が外国人投資家たちによって買取されたことが分かります。
7年でこんなにも外国人投資家が物件を買収しているのですね・・😳
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ちなみに上の写真はデンマークのこの辺り!首都コペンハーゲン周辺です。
番組の中では近年デンマーク(特に首都コペンハーゲン)の土地を買っている海外投資家の内の一つ、Blackstoneというアメリカの投資ファンド運用会社にスポットを当てて紹介していました。
Blackstoneは2017年に首都コペンハーゲンの住宅市場に目をつけ、360Northという管理会社とともに2300軒のアパートの中で特に古い164の賃貸物件を購入。
彼らはコペンハーゲンの賃貸住宅の改修工事を行い、高額すぎる家賃を設定して儲けています💸
◯ケース1
ベンジャミン(年金受給者)
- 居住歴:約40年
- 家賃:約65,000円
Blackstoneはベンジャミンが住んでいるアパートを買収しリノベーションを施しました。
新しくリノベーションが施された部屋の家賃は・・・約20万円でベンジャミンの部屋の約3倍の金額です。
ベンジャミンの部屋は改修工事がされなかったため、以前と変わらず約65,000円の家賃を支払っています。
◯ケース2
ミケル(CEO)
- 居住歴:25年
- 部屋の広さ:45坪/5部屋
- 家賃:約97,000円
Blackstoneはミケルが住んでいるアパートの所有権を買い取り、改修工事をし上の階を取り付けたそう。
新しく建てられた部屋は45坪とミケルが住む部屋と全く同じ大きさですが、家賃はなんと・・・約40万円。ミケルが支払っている家賃の4倍です😨
ミケルの部屋はリノベーションが施されなかったため、約97,000円の家賃を払い続けています。
え、ちょっと待って、4倍っていくらなんでも高すぎませんか?😱同じ部屋の広さ、同じ部屋のつくりなのに。ただ改修工事がされているか否かで4倍も家賃が異なるなんて😨
「普通の人はコペンハーゲンに住むことが出来ません。家賃代だけのために25万円程稼がなければなりませんから。普通の人は経済的に追いつめられますよ」とミケルは言っていました。
◯ ケース3
フレデリック(自動車ディーラー)
- 居住歴:約2年
- 部屋の大きさ:18坪
- 家賃:約15万円
フレデリックは2018年にBlackstoneが改修工事をしたアパートに引っ越してきました。
彼は家賃査定委員会に家賃の査定を依頼。
家賃査定委員会はアパートを実際に訪れ見て回りました。結果、家賃が高額すぎると判定を下しひと月の家賃は32,000円安くなったそうです。
32,000円ってかなり大きいですよね😳3万円ちょっとあったら色々と贅沢出来ますよね。フレデリック、アパート安くなって良かったね・・。
2018年〜2019年の7月まで、Blackstoneが所有しているコペンハーゲンとフレデリクスベアに住むテナント61人が家賃について不満を言っていたそう。
23件のケースが判決を下されましたが、そのうち20件はBlackstoneが所有するアパートであったそうです。
《Blackstoneは改修工事を行い、べらぼうに高い家賃を設定している》
このことについてBlackstoneはどう考えているのでしょうか?
番組内ではBlackstoneに勤めるヨーロッパ買収部門部長のジェームス氏へのインタビューがありました。
ジェームズ:リノベーションを施すことによりアパートの品質を格段と高めています。
新しいキッチンとバスルームでより環境に優しいものにしています。何十年もの間何も手がつけられていない物件よりも、地主が膨大なコストをかけて投資した完全に改装された物件に対してより多くの金額を請求するのは合理的なことだと思います。
インタビュアー:家賃を2,3倍以上に設定していますよね。差が大きすぎませんか?
ジェームズ:賃貸契約がいつ締結されたかによります。もしも賃貸契約が30〜40年前に締結されており、今日の家賃が65,000円だとすると通常の住宅のレベルの半分ほどにしか過ぎません。
インタビュアー:普通の人がコペンハーゲン外にしか住めないという恐れを理解していますか?
ジェームズ:賃貸契約を持ってる全ての人は、賃貸契約の期限は切れません。アパートに住んでいる全ての人は、引っ越しを選択するまで住む権利を持っています。
インタビュアー:Blackstoneが改修工事した物件を家賃委員会が査定し、家賃認定が高額だと判断され、家賃が値下がりしましたよね。それは家賃水準が高いことを示していると思いませんか?
ジェームズ:私は詳細については知りませんが、ただ私が言えることはテナントと長期的な関係を望んでいます。また賃貸に関してもです。
なんだかジェームズ氏うまくかわしてますね😧
騙されないためにも、ケース3で紹介したフレデリックのように家賃査定委員会に査定を依頼するのが懸命なのかもしれません。
ただ昨今この状況に歯止めをかけるべくデンマーク政府たちが動き出しました。
外国人投資家たちがデンマークの物件を買収出来なくなる日は、そう遠くなはいかもしれません。