北欧デンマーク通信

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実はウソ!?北欧デンマークは幸福度が高い国ではない?

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デンマークは国連調査による幸福度ランキングで、常に上位にランクインしており幸福度が高い国として知られています。

また、環境問題への関心が非常に高い国でもあります。肉を食べると環境に大きな負担が掛かることから菜食主義者が多かったり、更に先日気候変動を阻止する法律ができ、二酸化炭素の排出量を2030年までに1970年の70%にまで下げる指針が定められました。
しかし・・・実際のところはどうなのでしょうか。
デンマーク人は本当に幸福度が高く、環境問題への関心度が高いのでしょうか。
とあるデンマーク人コメディアンがデンマークの実態を暴いた記事を発見しました。
非常に興味深い記事だったので皆様にも共有したく翻訳してみました。

記事は2019年12月7日に書かれたものです。以下記事のリンクです⇩⇩

www.berlingske.dk

 《私たちー消費者たちは嘘だらけ!》

現代人の自己欺瞞について熱く語る。現代の凄まじく強烈な挑戦。

おっと、ちょっと待った。嘘は実に負の要素を帯びた言葉だ。だからこそ代わりにより聞こえのいい「自己欺瞞」(自分の本心や良心に関わらずそれに反した言動をし、またそれを正当化すること)という言葉を使おう。

我々の声はありとあらゆる場で反映される。グローバル市場での私たちの選択と非選択が世界の流れを決定することは周知の事実だ。我々は牛乳・カツレツそして歯磨き粉を消費する。そして投票する。私たちは人生の舵を握っているのだ。
私たち!
我々は長年に渡り、尋ねられたときには綺麗事を並べ、「真実の祭壇」に立っているときには本音を吐くという素晴らしい能力を開発させてきた。


ここでいくつかの例を挙げさせて欲しい。
オーガニック製品の商品購入に関するライフスタイル分析機関の調査によると、皆オーガニック商品の購買に熱望しているという結果が現れた。しかし小売業者のオーガニック製品の販売数に目を向けると、それは完全に正しいとはいえない。大多数の人はオーガニック製品を購入するだとか、明日から購入することを検討していたなどと美辞麗句を並び立てるが、実際のオーガニック製品の購入者は若干名にしか過ぎない。


我々はグリーンチェンジ(※持続可能な社会を作るためのデンマークの政策。2050年までにCO2排出ゼロを目指す。また2050年までに全発電量を化石燃料から再生可能なエネルギーに切り替える)に熱い意気込みを見せている。しかし、風車が自分たちの家の近所に建設されるとなると、突如それまでの意気込みは不確かなものとなる。エスビアオに立てたら言いんじゃない。もしくは海の遠くの方?私たちはそう言うのだ。landscape photo of windmills

世界一幸せだと私たちは言う。

しかし医療統計によると、50万人のデンマーク人は精神安定剤を処方してもらっている。

 

無数の風車プログラムは、交渉・現地計画・財政・政治、そして決議の段階を経てスムーズに進んでいく。しかし近隣の不本意に座礁するのだ。ー「我が家の裏には御免!」

 

ホルベックでは昨今、市民に有益をもたらすバイオマス施設、グリーンチェンジの話題で盛り上がっている。
しかしバイオマス廃棄物と農業から出る糞を収集する地域には悪臭が広がる。それは私たちからの「結構です」の合図。つまり建設反対につながる。

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世界一幸せだと私たちは言う。しかし医療統計によると50万人のデンマーク人は精神安定剤を処方してもらっている。(デンマークの人口は約560万人)

 

子供たちは私たちにとって最も優先順位が高いのだと我々は言う。しかしデンマークと他のヨーロッパの国々と比較すると、デンマーク人は他のヨーロッパ諸国に比べ、より長い時間保育所に子供を預けている。

 

我々はフィットネス世代だと言う。しかし実際は肥満がどんどん進んでいる。昨今5人に1人以上が病的肥満だと診断されており、その数はひたすら増え続けている。自己欺瞞はどこにでも存在するのだ。 

 

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私たちはミートフリーデー(肉を食べない日)とフレキシタリアニズム(準菜食主義)への準備はいつでもできており、絶対菜食主義者のビーガンたちに拍手を送る。しかし畜産統計によると、2018年は最も赤身肉の消費量が高く過去最高を記録したそうだ。

 

フライトシェイム(飛行機に乗ることは環境破壊に加担する=フライトは恥)が大げさに騒ぎ立てられている中で、コペンハーゲン空港は拡張し、スカンジナビア航空は過去最高の営業利益を叩き出した。2018年のデンマーク人出国者数は、過去最高記録を突破した。かつてこれほど多くの人が休暇で異国の地を訪れるために飛行機を利用することはなかった。

 

我々は膨大な金を所持しており、より優れた車を欲する。車体が大きく重量が重いSUVの売り上げは絶好調だ。2018年の駐車場の二酸化炭素の排出量は増加している。電気自動車の売り上げはばかばかしいほど低い。哀れだ!デンマークの総二酸化炭素の排出量は反対の激しい議論にも関わらず、2018年に再び増加した。

 

しかしすべての愚か者は知っている。

何も起きないことを。一切何も。

 

地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議 (COP25)が開催されている。
今こそ!行動を起こすときだ!責任ある各国のリーダーたちが深刻な問題に取り組んでいる。若者たちよ、心配する必要はない。大人たちが取り組んでいるのだから。

ここで何が起きるかを先立ってお伝えするのを許して欲しい。宴を無駄にしてしまうのを許して欲しい。
交渉は難航し、議論は夜遅くまで熱を帯びるだろう。デッドラインは数回延期され、コーヒーのおかわりが注がれて、報道陣の前で各国のリーダーたちが代る代る眉間に皺を寄せる。しかしー知っているかいー最後の瞬間にはうまくいくのだ。万歳!

 

私は閉会式が楽しみだ。
交渉担当者たちはテーブルの上に飛び乗るだろう。まるで会計士たちの会議のようにネイビースーツを着たリーダーたちがごちゃ混ぜになる。
劇場のフィナーレのシーンで役者たちが並んで手をつなぎ、観客から大歓声を浴びる。そして飛び切りの笑顔で、笑い高らかに叫ぶのだ「私たちはやったんだ!!!」
あたかも年が変わる瞬間にイスから飛び降りるように、統一した集団ジャンプでテーブルから降りるだろう。(※デンマークの大晦日の伝統。年が変わる瞬間、幸運を掴むためにイスから飛び降りる風習がある)

各国のリーダーたちは報道陣からのフラッシュライトを浴びることになるだろう。疲労感の中に笑顔を見せる。だがそれは満足の笑みだ。ー「私たちはやった!」
しかし、愚か者の誰もが知っている。何も起きないことを。一切何も。
これはただの何かのゲームである。ー何かの。私たちは言う。
来年またリーダーたちは顔を合わせる。誰しもが不誠実であり続けるCOP26で。

 

 

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